俺様富豪と甘く危険な恋
翌日、頬に触れられて栞南は目を覚ました。目を開けると蓮の心配そうな瞳とぶつかる。


「おはよう。気分は? 痛みは?」

「おはようございます。大丈夫です」


もそっと身体を起こすと、足元に服がセットされ置かれていた。

どれも買ってもらった服だ。

クリーム色のシフォンのブラウスの袖はたっぷり生地が使われており、栞南の腕の包帯に差支えない。それに合わせたレモンイエローのA型のスカート。


「用意まで……ありがとうございます」

「ひとりで着替えられるか? 手伝う?」

「もちろんひとりで着替えられます。すぐに行きますから先に食べていてください」


少しおどけたような蓮の言い方に、栞南は笑いながらベッドから出る。

蓮が出ていき、栞南は腕に気を付けながら着替えた。

ダイニングへ行くと、いつもと同じ風景だった。

ボディーガードたちは向こうのソファでパソコンを前にしているし、席に着くとダニエルがコーヒーを運んでくる。

朝食は昨日の夕食の分まで食べさせようとしているのか、いつもよりボリュームがある。


「いただきます」


ケガをしたのは右手だけど、痛みを我慢すればフォークやスプーンは持てる。



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