俺様富豪と甘く危険な恋
「ダニエル、痛み止めを持ってきてくれ」

「先ほど飲んだのですから我慢してください。熱が出てきたようですね」


蓮の額に汗が浮かんでいるのを見て、ダニエルは部屋を出た。



栞南がテーブルの料理を片付けていると、ダニエルがミネラルウォーターのペットボトルとグラスを用意している。


「ミズノさん、ここは私がやりますのでお休みください」


そう言い残してダニエルは再び蓮の寝室へ行ってしまう。


「水……頭痛がひどいんだ……」


キッチンから出てふとリビングを見ると、トニーたちボディーガードがまだ残っている。いつもは蓮が戻ってくると、玄関を出た隣のマンションの部屋に引き上げるのだが。

栞南は立ち止まり彼らを見ていると、深刻そうな顔でみんな話をしている。


（なにかあったの？）


ぴったり閉められた蓮の部屋のドアに視線を向ける。


（胸騒ぎがするのはどうして？　朝日奈さんの様子がおかしかったのはなんで……？）


再び蓮のドアが開いてダニエルが出てきた。ぼんやり突っ立っている栞南を見てダニエルは片方の眉を上げて見た。

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