俺様富豪と甘く危険な恋
「何でも話せる友人はいるのか?」

「朝日奈さんも唐突ですね。いますよ。大学からの友達が。三橋優香(ミツハシユウカ)って言うんですけど、彼女は今仕事を辞めてオーストラリアでワーキングホリデー中なんです」


同じ学部で大学の講堂で隣同士になって以来、何でも話せる友人になった彼女は去年の夏に突然会社を辞めてオーストラリアへ行くと栞南に告げた。

優香と部屋をシェアしていたこともあり、寂しいのは否めないが、彼女が以前から語学を勉強したい思いを知っていたから栞南は進んで送り出した。


「何でも話せる友達というのは彼女だけです。総務部に仲がよい友達もいるけれど、会社の人たちは何でも話せると言うわけにはいかなくて」


同期会などは年に3回ほどあり、同じ部署の先輩や同期、後輩とも仲は良いがすべてを話して痛い目に合うこともある。

付き合っていた孝太郎とのことも最初は同期のひとりだけに話したのに、あっという間に広まっていた。

常務の娘を選んだ結果、孝太郎はひどい男で、栞南はみじめな女に周りから見られた。あの時はひどく居心地が悪かったが、少し経てば人の噂も七十五日で言われなくなり、そんなところでの香港旅行だった。




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