俺様富豪と甘く危険な恋
『私、そんなに魅力がない女だったのかなって……いろいろ聞きたいし、ふざけるな。バカ野郎って色々ののしりたい』


ふと蓮に酔いながら話した会話を思い出してしまった。


(あの時の私は孝太郎を見返してやりたいって思っていたんだよね)


蓮を思い出してしまい、小さくため息をつく。あれからメールも電話もない。

栞南は仕事の邪魔にならないようにメールを送るが、返事がないのだ。


(一言だけでも送ってくれればいいのにな……)


でも、約束の日曜日まであと5回寝ればやってくる。

指折り数えているなんて子供みたいだが、そうでもしなければ寂しくて、落ち着かなくて、仕方ないのだ。

孝太郎とは話したくなかったが、時々話を振られて話さざるを得ない。

でも以前よりごく普通に話せるのは蓮という恋人が出来たからに違いない。

明日も仕事があるということで、早々と解散になった。

まだお腹が空いている者はラーメン屋へ向かったが、栞南は蓮から連絡があったらと思うと気が気でなく駅に向かった。

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