俺様富豪と甘く危険な恋
「もう気がすみましたか？」


ダニエルの問いに栞南は答えずに、ソファに座る蓮に近づいた。そこへインターホンが鳴り、ダニエルは玄関へ向かう。


ソファに座る蓮のすぐ横に立った栞南は整った横顔を見つめた。


「レン、私がサングラス越しで話すのは嫌いだって知ってるよね？」


栞南は蓮の顔に思い切って手を伸ばし、サングラスを外した。

サングラスを無抵抗のまま外された蓮は一瞬動揺する。


「私の目を見て、嫌いだって……言って」


栞南はサングラスを持ったまま、自分を見ようとしない蓮に言った。

そこへ玄関から明るい表情の美しい女性が姿を現した。デザイナーブランドのジーンズとシンプルな白いシャツでスタイルの良さが際立つ美人だ。


「レンっ！」


その女性は蓮のそばで立ち尽くす栞南にかまわず、彼に抱きついた。


「ソフィー、遅かったじゃないか」


抱きつかれた蓮は優しい笑顔になり、彼女の頬にキスをする。

まるでスローモーションのように一連の流れるような動作を見ていた栞南は息が止まるほど驚いた。

まさか今の彼女に会うとは夢にも思っていなかった。

じりじりと後退する栞南に熱い抱擁を交わし終えたソフィアの目が向く。



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