俺様富豪と甘く危険な恋
大きな手にずっと握られたままで、栞南は自分の手が緊張で汗ばんでくるのを感じた。それとも蓮のものなのか。


「レン……目が見えないってつらいよね。そうなってしまった本人しかその大変なつらさはわからないかもしれないけれど、私は……レンの目になりたい」

「栞南……」

「私をまだ好きでいてくれているんだよね? 私はレンがなんと言おうと、嫌いになれないし、一番大切に思っているの」


眉間にしわを寄せる蓮。栞南はわかってほしくて蓮に抱きつく。


「私のためだなんて言わないでよ……突き放される方がつらくて……何も手につかなくなって……どうしたらいいのかわからなくて……」

「栞南……」


蓮は愛しい人の名前を呟く。

栞南の想いが自分の胸にスーッと入ってくる感覚だった。


「そんな思いをさせてすまない」

「レンはここで私に魔法をかけたんだよ? レンのことしか頭にないように。一日中レンのことを考えてしまうの。ずっとここにいたい」


蓮の胸で泣きじゃくる栞南は思いのたけを告白していた。



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