俺様富豪と甘く危険な恋
「うん。高そう」

「アルマーニでレンに買ってもらったものなの」


香港から帰国後、蓮とこれからのことを優香に話した。

蓮の言い分はわかるけど、優香はそれじゃあ栞南が可哀想だよと言っていた。

今は早く一緒になれたらいいねと応援してくれている。


「元カレの披露宴パーティーに行くなんてどうかしているよ」

「同じ会社だし、披露宴にはたくさんの社員呼んでるから出ないのもね。それに出席しなかったら、周りにまだ孝太郎に未練があるんだと思われちゃうかもしれないでしょ」


まったく1ミリも未練はない。栞南の心にいるのは蓮だけ。

香港から帰ってきて、彼氏はいると隠さずに言ってきたが、残業は毎日のようにしているし、男の姿が見えない、強がりなのでは?とさえ周囲から思われているようだった。

結婚の日取りが決まった孝太郎に嘘つき呼ばわりされるのもうんざりだった。本当に子供っぽい男で、これからも成長しない男なのだろうなと思っている。

そんなこともあり、欠席したら何を言われるかわからない。披露宴パーティーと聞いて、今着ているこのドレスワンピが頭に浮かび、ペニンシュラで食事した時のことが走馬灯のようによみがえったのだった。

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