俺様富豪と甘く危険な恋
「なんか様子が変ね? ジェス、具合でも悪い? 大丈夫?」

「う、うん」


心配そうに聞きながら外れたボトルのキャップをしめようとしたソフィアの手が止まった。


「クラゲ除けのサンスクリーン? ジェシカ、どうしてこれを……! まさか!? あなたがカンナを海へ誘ったの?」

「わ、私は誘っていないわ」


ジェシカはひきつった顔で首を横に振るが、ソフィアは素早く彼女の足を触った。ソフィアの手に油分が付いた。


「これを塗っているじゃない! 今朝、浜辺を散歩したときに会った男性に『今日はジェリーフィッシュがたくさんいるから海で泳がない方がいい』って言われたわよね? ……いいわ、カンナに確かめるから」

「ソフィー! ソフィーは私の味方じゃないのっ!?」


ジェシカの瞳から涙がポロポロと頬を伝わる。

部屋を出て行こうとするソフィアの後ろからヒステリック気味な声が追ってきた。

ソフィアはハッとして立ち止まり振り返り、ベッドの横に立ちすくむジェシカを見る。彼女の瞳は涙に濡れ、懇願するように見ていた。


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