俺様富豪と甘く危険な恋
大好きなコーヒーを一口飲むが、すぐにカップをソーサーの上に置く。
(はぁ……なんだか気持ちが落ち込んで苦しい……)
テーブルに両肘をついてぼんやりしていると声をかけられた。トニーだ。
「――ありますか?」
「えっ?」
トニーの声がまったく耳に入っておらず、栞南はばつの悪い顔になる。
「ごめんなさい。ちょっとぼんやりして……」
「あとで出かけてきますが、何か欲しいものはありますか? 買ってきますが」
「あ……いいえ。何もないです」
栞南はさっきまでの考え事が尾を引いているのか、口元をこわばらせて首を左右に振る。
「わかりました。1時間ほどで戻ってきますが、3人ここに残りますのでご安心を」
トニーは栞南の顔からテーブルの上のほとんど手をつけられていない料理に視線を向けたが、そのことについてはなにも言わず離れて行った。
ほとんど手つかずの料理をキッチンに片付けて、自分の部屋に戻った栞南はそのまままっすぐ窓辺へ足を向けた。
緑に覆われた山が見えるが、澄んだ青い空の方が近く感じる。
(はぁ……なんだか気持ちが落ち込んで苦しい……)
テーブルに両肘をついてぼんやりしていると声をかけられた。トニーだ。
「――ありますか?」
「えっ?」
トニーの声がまったく耳に入っておらず、栞南はばつの悪い顔になる。
「ごめんなさい。ちょっとぼんやりして……」
「あとで出かけてきますが、何か欲しいものはありますか? 買ってきますが」
「あ……いいえ。何もないです」
栞南はさっきまでの考え事が尾を引いているのか、口元をこわばらせて首を左右に振る。
「わかりました。1時間ほどで戻ってきますが、3人ここに残りますのでご安心を」
トニーは栞南の顔からテーブルの上のほとんど手をつけられていない料理に視線を向けたが、そのことについてはなにも言わず離れて行った。
ほとんど手つかずの料理をキッチンに片付けて、自分の部屋に戻った栞南はそのまままっすぐ窓辺へ足を向けた。
緑に覆われた山が見えるが、澄んだ青い空の方が近く感じる。