俺様富豪と甘く危険な恋
とても華奢なハイヒールで、高さもかなりある。それに値段が自分では到底買えないのだと思うと、足が震える。

だから、いろいろと悪循環で足を入れた途端よろけてしまい、蓮の腕に頼らざるを得なくなる。


「なかなか似合うな」


(その一言で舞い上がってしまいそうになるのはどうしてなの?)


栞南は頬が熱くなるのを感じた。


それからはドレスワンピを着たまま、栞南は蓮に店内を連れまわされる。


「それと、これ。あぁ……これもいいな」


まるで食材を買っているみたいで、その間栞南は何度も「もういらない」と拒否した。


「お前の金じゃないんだ。俺の好きにさせろ」


そう言われ、しまいには「しつこい女だな」とムッとされ、栞南は蓮の考えていることが良く分からなくなる。


(罪滅ぼしはこれだけでいいのに……)


信じられないくらい着心地の良いドレスワンピとハイヒールを見下ろした。


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