キングとナイト

仲直り

『俺、魅夜の事が憎たらしかったんだ』

昼休み、流が私に打ち明けてくれた。

『初めて、勉強でも運動でも、負けたんだ。 だから、嫉んでたんだ。だから、理事長に話を持ち掛けられた時、断れなかった』

それが、流の本心だった。
理事長に持ち掛けられた話とは、私を深く傷つける事。
だから、流は私に近づいてその方法を探していた。

そして、見つけたのは私の過去の出来事だった。

『でも、魅夜と過ごすようになって、後悔したんだ。なんで、こんな事をしているんだろうって。理事長に逆らう勇気がなかったんだ……』

だから、弥生がターゲットにされる前に言っていた、『回りに気をつけろよ』というのは、流なりの償いだったのだ。
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