キングとナイト
俺は、魅夜の耳元で呟いた。

「一人で抱えるなよ。もっと頼れよ……!」

魅夜を強く抱きしめる。


「…さっき、相楽さんが来て……」

魅夜は、小さくだが話し始めた。

「あの人からの伝言で、もうすぐ、迎えに来るって……」

魅夜はそう言いながら、俺の制服の袖をギュッと掴んだ。


「怖いです…。不安で…。前までは、平気だったのに。今は不安でしかたないんです……!」

そう話す魅夜の手は震えていて、俺はどうする事も出来なかった。



その後、魅夜は何事もなかったかのように帰って行った。

俺は、その姿を見送りながら自分の無力さに気付かされた。

〜連夜Side 完〜
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