マルボロ・ヒーロー

「ちょっとタカさん!何してんすか!」


舞台から引っ込んだ俺を、袖で待ち構えていたらしい。デビル役の後輩がまくしたてるように話す。


「俺、マジで焦っ…タカさん!」


その横を足早に通り過ぎ、喫煙所へ向かった。




「……」



安っぽいベンチに
どっかりと腰を下ろして


繰り返し繰り返し思い出すのは




『タカヒロ……?』




十年ぶりに聞いた、愛しい人の声。

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