アイスクリームの美味しい食し方
「あの馬鹿な
手紙を見たときは、
身体中の毛穴が開きました。」

新はチクチクと文句を言う。

「はは。」
私たちは、
早朝、家に戻る途中である。

「新は香織ちゃんが好きです。」

新は、
手紙を広げて読み出した。

「わぁ!!
なんで新が持ってんの!!」

私は取り返そうとしたが、
ひょいっと交わされる。

「…えーっと、

新はクールで素直に言えない性格です。」

「や、やめてってば!」

「だけど、
本当は、優しくて、
誰よりも心の暖かい人です。

だから、
新を幸せにしてください。

ずっとそばにいてあげてください。」


「ゔー。」

新は手紙を読み終え、
私をちらっと見た。


「本当に君は馬鹿ですね。
間違いだらけの手紙だ。」

「ふぇ!
私、漢字は間違えない方なんだけど…」

私は手紙を奪い返した。
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