アイスクリームの美味しい食し方
私たちは泣きすぎて、
疲れて、
結局、水瀬家で寝てしまった。

私と新は隣の部屋で
二人で寝ていた。

夜中目を覚ますと、
新は、ぐっすり寝ていた。

小さな子どものように。


リビングでは、
つぐみさん、良さん、
えみの声が聞こえた。


「ずっと、
神経をフル稼働させてたんだな。」

良さんたちが新のことを
話しているのが分かった。

「ひとつでも見逃したら、
チカちゃんが、
手を引っ込めるって、
新には分かってたからね。」

「私、ちょっと羨ましいです。
保健室の時も、
今日も、
目の前であんなの見て、
人が人を想う場面を見て、
不器用なくせに一生懸命になって。

あんなにイケメンなのに、
めちゃくちゃかっこ悪くて。


はは…
私もあんなに好きな人できるのかなっ
て。」

私は、
新の涙のあとを触った。

イケメン…か。


台無しだね。



だけど、
もっと好きになったよ。

私は、
新の胸に潜り込むように
身体を寄せた。
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