アイスクリームの美味しい食し方
彼が一歩近づくと、
私が一歩下がった。

冷たい笑顔が近づくのを
鞄を盾に逃げようとしたが、
いつのまにか、
壁際に追いやられた。


ち、近い。

何?


なんでー!!


彼は壁に手をつけ、
上から答えた。


「なんでだと思いますか?
俺が学校にいたの。」


どんどん顔を近づけてくる。


わー!
私甘いの苦手なの!

お菓子もイケメンも!


答えなきゃ
どんどん近づけてくるような気がして、慌てて叫んだ。


「…あっ、そっその
生徒だから!

高校生で同じ学校だから!

洋菓子屋さんで雇われてるんじゃなくて、
この洋菓子屋さんの息子さんで、
朝はお店の手伝いをしていた!」


うん、そうだ。
この家は彼の家でありお店。
それしかない。


「くっ…くく。


ちょっと考えたら分かることを
聞かないでください。」

彼は、私の顔に触れ、
自分の顔を見るように
誘導した。
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