アイスクリームの美味しい食し方
「あの部屋…」

朝食を食べ終え、
片付けを買って出た。

さすがに悪いと思ったからだ。


彼はコーヒーを入れて、
ソファに座った。

私はアイランドキッチンから、
彼に話しかけた。


「君が、俺のキスで失神したので、
俺の部屋で寝させたんです。」


がしゃーん！！

「きゃああああ！！」

私は思い切り
泡のついた皿を流しに落とした。

「ちょっと割らないでくださいよ。
怪我なんかされたら、
気が狂いそうですから。」
彼は立ちあがり、
冷静で甘い言葉で返す。



「わ、割れてません！
それより何で、何でそんなこと
さらっと言うんですか！！」

私は近づく彼を制して、
顔を真っ赤にして叫んだ。


彼は悪びれず言った。



「事実だからですよ？」



私は、わなわなと震えた。

「ま、まさか着替えさせたのって…」

私は、聞きたくないが聞いた。

「この家に従業員の方は上がってきません。

それに俺以外の人が住んでいる気配はありましたか？」

彼はまたしてもしれっと答えた。

お姉さんは嫁がれていて
この家には住んでいない。

朝も静かで起こされることもなかった。

朝ごはんを作るお母さんもいない。


「お、お父さん？」


お店のオーナーであるお父さんがいるはずだ。


「…。

俺の父に着替えさせてもらいたいのですか？」

彼は不審そうに私を見て言った。




「そっ！そんなわけないでしょうよ！！」


私は全世界に向けて叫んだ。

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