アイスクリームの美味しい食し方
お店の人たちに挨拶してから、
登校するはずだったが、
私?のせいで、時間がなくなり、
ぱっと顔だけ見せることになった。

「今日からお世話になります。
小暮チカです。
よろしくお願いします!」
と頭を下げた。

皆さんお忙しいのに手を止めて
集まってくれた。

口々に、
「ほー、これがチカちゃんかぁ…」
とか
「さすが、新の決めた子だ。」とか
パンダを見るような目で
わけのわからないことを言っていた。

驚いたのは、
「ちょっ…みんないいですから、
俺たち学校行くんで!」と
何故か佐々 新が
表情を崩したことだった。

私以外には
あの冷たい笑顔はない。

「よろしくね。チカちゃん!」
可愛らしいお姉さんが握手を求めてくれて、私は嬉しくて、

「はい!」と言って握手に応えた。

他の方にもよろしく!と
暖かく迎えてもらい、
少しだけ安心した。



皆さんすごくいい人そうだ。

甘いものが好きな人は、
すごく幸せそう。

甘いものを作る人は、
その人たちの笑顔を作る人。

何だか私には不似合い。

皆さんがいい人だなと
感じれば感じるほど、
自分の心が冷えてゆく気がした。

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