アイスクリームの美味しい食し方

「ち、ち、チカ？
どうしちゃったわけ？
どっから突っ込めばいいか分からない！」

思った通りだ。
えみは校門前でうろたえている。

私は
佐々 新を睨んだ。

「だから、その顔、
俺以外には禁止ですからね。

放課後待ってますから。」

また訳のわからないことを言って、
その場を後にした。

「あ！逃げるな！」

私は、佐々 新の腕を掴んで、
少しえみから離れた。

そして、耳打ちをした。

「わ、私が佐々 新のとこに住んでるのも内緒ね。」
聞こえないようにお願いをした。

「もちろん、いいですよ。」
と佐々 新は笑った。


…。

なんか嫌な予感する。


「ちょ、ちょ、チカ！！」

念押しする暇もなく、
えみに引っ張られる。

「あっ、ごめ…このカッコは…」
私はなんとかごまかそうとした。

「ダサいカッコのことより、
王子よ！！

なんで王子と仲良くしてるわけ？！」

えみが真剣な顔で私の腕をさらに
強く掴んだ。

「おっ、王子？」

王子？王子様の王子？

誰のこと…






ってこいつかー！？




私は
ばっと振り返って佐々 新を見た。



しかも、いつの間にか
ちゃっかりそばにいる。



そして、
とてつもない
キラキラした笑顔で
にっこり笑って言ったのだ。



「彼氏の佐々です。」


と。