キミの瞳に恋してる ~運命の人は鬼上司!?~


ああ。きっと、終わっちゃったんだ。

私と俊は、もう終わってるんだ。


もしかして、私が彼の手を離した、あのときには……すでに終わってしまっていたのかな。


俊なら、立ち向かってくれると思っていた。

実力でどうにかして、周りの信用を取り戻すはずだと。

彼がそうするつもりなら、私もできる限り手助けするつもりだった。

でも、『するつもり』じゃ、ダメだったんだ。

会いに来てくれない、メールや電話をしてくれない。

そうすねていた頃と同じ。

結局は彼に任せて、甘えて、自分で動こうとしなかった。

だから事態は良くならなかったし、俊も離れていってしまったんだ……。


ダメだとは思っているのに、その後は営業時間中も笑顔なんて作れなかった。

お客様がほとんど来なかったことだけが、救いだった。


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