嘘をつく、その瞬間。
「っ、こいつが…!
裏切るから悪い!」
「、」
────もう、“信頼”という言葉は何処にもない。
「……裏切るから…?
そんなもの、関係ない。」
アオに、否定されるのは苦しくなる。
「人と、して。
最低って、言ってるのよ。」
何だか、苦しそうに聞こえるのは私だけ?
「……っ、でも……っ!」
そう言うと、私の髪の毛から手が離れた。
しゃがみこみ、上を見上げる。
そこには、アオが由朔の胸ぐらを掴んでいた。
「え……。」
私は、唖然とした。
この地域一帯を占める暴走族の幹部の胸ぐらを。
か弱い、お姫様が掴んでいるんだ。
───いや、最初から強かったのかもしれない。