エルドラドステージ
森をしばらく歩き続けた時、章の中に誰かの感情が入ってきた。
武でも登でもない。もちろんカイザーのものでもない。

その感情はあまりに手応えが薄く、時折ふっと章の中に流れては消えていった。
途切れ途切れの感情だったが、妙に気にかかる。
章はなんとかキャッチしようと神経を集中させた。

少しずつ、少しずつ感情は小さな声に変わっていった。そしてその声はどんどん近づいてくる。

…いや。自分たちがこの声の主に近づいている。カイザーはこの声の主の元へ自分たちを案内していたのだ。

森の中に大きな景色が広がった。所々こぼれ落ちる光は湿気を含んだ空気を幻想的なカーテンへと姿を変えていた。


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