君と僕の夏
「どこまで行ってんよ!」
「ぐえっ」
制服の襟を摑まれたナオは、自然と首をつったような感覚。
奇妙な声を漏らすと、放してと言わんばかりに暴れて理沙の手から逃れた。
「な、なにすんねん!」
「閲覧室過ぎてるやん!お前アホやろっ」
ぷりぷりと怒りながら室内に入っていく理紗。
ナオは恐る恐る上を見上げて固まった。
テカテカしたプレートに殴り書きで書かれた文字・・・。
「え、“閲覧室”・・・。」
「ほなっ。あほちゃう?何逆ギレてんねんっ」
「ご、ごめんー。」
「もーええっ」
ひょこっと閲覧室の扉から顔を覗かせた理紗は、捻くれたように顔を歪ませながら皮肉を零す。
それにナオは苦笑いを浮かべながらも謝った。
そして二人は笑いながら室内へと入っていく。
中には誰もいなかった。

