幼なじみが、先生で。


「海里ぃいい!!!卒業してもずーっと友達だからね………!」


「うん、ずっと友達だよ」


「ううっ……うっ………」

「結衣ったら……っ……泣きすぎ……」


わたしをぎゅっと抱きしめて泣き叫ぶ結衣を見ていると、こっちまで泣けてきた。



ついに卒業式を迎えたわたしたち高校3年生。

泣いている人も、笑っている人もたくさんいる。


卒業証書を受け取ったわたしたちはもう高校生じゃないんだなぁ。

実感なんて全然わかないけど、みんなそれぞれ別の道を歩む。


「海里」

「遥……!」


卒業証書を片手に遥が「よっ!」と笑顔でこちらに手を振っていた。


「芹澤くん!あ、もしかして私はお邪魔かなぁ?」


さっきまで涙で顔がぐしゃぐしゃになっていたのに、遥が来た途端ケロッと何もなかったように笑う結衣。

切り替え早いな……。


「頑張ってね!」と言い残し、鼻歌を歌いながらどこかへ行ってしまった。

なんか最後なのに腹立つ後ろ姿というか、結衣らしい。

きっと結衣はこれから先もあんな感じで変わらず元気なんだろうなぁと思った。



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