距離。
終わりの始まり。
ー僕には好きな人がいます。



いや、いました。かな。



過去形なのは、僕はもうその人に 想いを告げることは出来ないから。



「けいちゃーーーーーん!!」



ああ、未だに僕のことをちゃんづけで呼ぶ彼女の声が聞こえる。



彼女は、小さい頃から変わらない純粋無垢な笑顔を僕に向ける。真っ白なドレスに身を包んで。



「今行く!」



僕はそう叫んで彼女の元へと駆け寄る。
今日は笑顔でいなくちゃ。今日は…







ー彼女の結婚式なんだから。


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