キミの心に届くまで
『そんなのいるわけねーだろ!』
そう言われるに決まってるのに。
だけど……。
「マジ?」
返って来た言葉は予想とはまったく違っていた。
それに、さっきまで無表情だったくせに今は嬉しそうに目を輝かせてるし。
怖い印象を持っていたけど、それを見て少しだけ和らいだ。
「え……?うん」
「パン食ったけど、足りなかったからちょうど良かった」
無造作にセットされた髪が、風に吹かれてフワフワ揺れる。
右耳に光る輪っかのピアスが、とても良く似合っていた。