アナザーワールド



カイトがミアを迎えに行った。

それは私も望んでいた事。

きっと遅かれ早かれ、こうなる事はわかってた。


ミアは私、もうひとりの私。

だからミアの気持ちは私にはわかる。

けど、カイトも……彼も同じ気持ちだったはずだから。


カイトの意識の中で見た扉。

鏡のような扉。

あの扉の中をほんの少し垣間見た時、私は全てを悟った。


鍵の付いた扉の中は、ミアを想う気持ちでいっぱいだったーー。





まだ涙は止まらないけれど、でも、きっと大丈夫。


これは悲しい訳じゃない。


だから……。







「……カイト、ミア……幸せになってね……」







私はそう、小さく呟いた。












【fin】
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