bizarre love triangle
浩は繋いでいた手を振りほどいて
走った。

真面目に本人に向ってどこが好きか
なんて言えるわけがなかった。

恵美は笑いながら浩を追いかけた。

うれしくてしょうがない恵美は、
はっきりと自分のどこを好きになって
くれたのかを知りたかったが、浩が
本気で走ったので追いつかなかった。

「照れないで、言って欲しいのにー」

学校に着いて音楽室に入ると同時に
恵美は浩に言った。

「昨日までは言えなかったけど、今日
からは彼女という立場を利用して
言えることがあるんだけど、浩君に
言ってもいい?」

浩は機材に手をかけながら頷いた。
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