ギャル系女子が今日、黒髪おさげでやってきました。
「あたしのこと、邪魔だったんじゃなかったの?」
「それは初めだけだ。
それに、だんだん平井じゃなくて君を見るようになった。」
「あ、あたしを?」
「ああ。 そして中3の時、やっと気づいたんだ。 俺は君のことが好きなんだって。」
「仁香じゃなくて?」
「そうだ。平井よりも、惹かれるものがあった。 だから、この前呼ばなくても良かった仕事に君を付き合わせてしまった。」
あー。あれか。
確か、あたしはあの時に里原のこと、気になりはじめて……
恋だって気づくまでがものすごく短かったな。
「だから、さっき杏里に告白されたけど、断ったんだ。
そしたら、泣いて走ってった。」
そういうことか。
だから杏里は泣いてたんだ。
「じゃあ喧嘩みたいなのは?」
「振ったら、杏里が“じゃあ千鶴とは関わらないで”って言ったから、怒っただけだ。」
「杏里が……?
本当に、そんなこと言ったの……?」
「本当だ。平井に全てを知られていたのには驚いたが。」
仁香……昨日話してくれたこと以外にも知ってたんだ。