ひとひらの恋物語



「私、どれくらい寝てた?」



幕末で五年も過ごしたのだ。

さぞかし長いだろうと思っていた。




「十分くらいだよ」



優衣から十分と聞いて、幕末にいたことは単なる夢だったのではないかと不安になった。




命懸けで戦ったこと


左之さんと出会ったこと



もし、幕末にいたことが夢ならば、たくさんの思い出が夢になってしまう。




それだけは、避けたかった。





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