oneself 前編
「哲平は何考えてるん」


苛立ったような幸子の声。


高校時代を知る哲平の友人でもあり、あたしとの事も全て知っている幸子。


だからこそ、理解出来ないというような顔で、あたしに詰め寄った。


「で、未来はそれでいい訳?」


幸子の鋭い視線に、あたしはまたもやうつむいた。


「何で許したん?心配ちゃうの?」


次々に幸子の口から飛び出す疑問。


あたしは少しだけ間を置いてから、重たい口を開いた。


「ホンマは嫌やけど…」


そしてゆっくりゆっくりと、今までの事を打ち明けた。


高校を卒業してからの、今日までの時間。


哲平の気持ち。


自分の思いやりのなさを。



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