oneself 前編
少しずつだけど、哲平の彼女である自信が持ててきた頃。


あたし達は結ばれた。


すごく照れ屋な哲平が、恥ずかしそうにしながらあたしに言ってくれた。


「好きやから、大事にするから、抱いていいですか?」


言った哲平も、言われたあたしも、真っ赤になったっけ。


そして、本当に大事そうにあたしを抱いてくれたから。


あたしの不安は、だんだんと消えていった。


夏休みという時間で、あたし達は確実に、恋人としての絆を、作り上げていったんだ。


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