oneself 前編
あたしの問いかけに、沈黙が流れる。
「あんな…」
電話越しから伝わる、哲平の思い詰めたような一言。
あたしは黙って、その続きを待った。
「俺…」
「お~い、未来ちゃん!」
ようやく口を割った哲平と被るように、またしても後ろから、あたしを呼ぶ声が聞こえる。
電話してるって、言ってるのに。
イライラしながら、あたしを呼んだ声の主を軽く睨みつけた。
さっきとは別の先輩だった。
そんなあたしにおかまいなしに、先輩は慌てた様子で話す。
「奈美ちゃんが大変やねん、何か揉めてんねん!」
「はっ?」
「だから早く戻って来て!」
奈美が揉めてる?
でも、哲平が元気がないのも気になる。
どうしよう…
「あんな…」
電話越しから伝わる、哲平の思い詰めたような一言。
あたしは黙って、その続きを待った。
「俺…」
「お~い、未来ちゃん!」
ようやく口を割った哲平と被るように、またしても後ろから、あたしを呼ぶ声が聞こえる。
電話してるって、言ってるのに。
イライラしながら、あたしを呼んだ声の主を軽く睨みつけた。
さっきとは別の先輩だった。
そんなあたしにおかまいなしに、先輩は慌てた様子で話す。
「奈美ちゃんが大変やねん、何か揉めてんねん!」
「はっ?」
「だから早く戻って来て!」
奈美が揉めてる?
でも、哲平が元気がないのも気になる。
どうしよう…