君だから〜たった一人の君〜

「誰その人!?お姉ちゃんの彼氏!?」


キラキラとした目で迫る紗倖。


その隣には口を開けたままの孝倖がいる。


「ちゃうしっ。ダチの緋澄 亮、遊馬とちょっとあってな…」


「あすちゃんとなんかあったん?」


母から救急箱を受け取って、亮と一緒にリビングを出ようとする。


「…ケリつけただけや」


「…そか」


「…ん」


口を開かずに2階へと上がり、亜倖の部屋に入った。


「…あすちゃんて」


黙っていた亮がドアを閉めて喋りだした。

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