君だから〜たった一人の君〜

亮のほうも同じように亜倖のお好み焼きを食べる。


「「!!」」


自分のより美味いわけでもなく、不味いわけでもない。


それは、本当に―――互角。


「「…」」


こういう場合、どうすればいいのか…。


言葉が見つからず、亜倖は沈黙する。


「…まあまあやん」


「!」


先に口を開いた亮の意外な一言で…亜倖も言葉を声に出す。


「アンタも、まあまあやんっ」


言いながら横を見ると、穏やかに微笑んでいる亮の姿。


―ドキッ


そんな顔で、笑うな…っ。


赤くなった顔を隠すためにコーラを飲む。

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