君だから〜たった一人の君〜
「ウチのことも知らんで、ケンカ吹っ掛けて来て…ただのアホやな」
「…亜倖…?!…アンタ、もしかして…!!」
「喋んな。喋ったら、“これ”折るで」
「ひっ―――!!」
「わかったらもう来るんやない。…次はないで?」
「は…ぃ…」
手首を離して、踵を返す。
「いつまでもそんなことしとるんやないよ」
携帯電話を開いて時間を確認する。
そんなに時間はかかってない…。
家に帰っても誰もいないし、どうするか…。