君だから〜たった一人の君〜
「少しでもえぇから寝たほうがえぇんちゃう?」
「ぅん…」
少しだけシートを後ろに下げさせてもらって、寝る体勢に入る。
「いい夢見ろよ」
亜倖の頭を微笑みながらぽんぽんと撫でる。
ゆっくりと落ちていく瞼。
まるでおまじないみたいや…そう思いながら亜倖は夢の世界へと旅立った。
誰かに呼ばれた気がして、意識がはっきりしていく。
「ん…なん…?」
「着いたで!!はよ起きぃ!!」
「わかったって…ふぁっく」