君だから〜たった一人の君〜
第3章

幸せということ

「亜倖ー!おはぁーッ!」


「ん??…はよ」


眠そうに歩いていた亜倖の横を、大輝の自転車に乗った亜鶴弥が通りすぎていく。


「(幸せそ…)」


―ペシッ


「起きてるか」


「…寝たまま歩けるわけないやん」


自転車に乗ってきた亮がわざわざ降りて、一緒に歩いていく。


あの修学旅行から毎日続いてきた。


そんな毎日が、“当たり前”になってきたある日。







「ねぇ亜倖…あの話聞いた?」


「え、何の話?」

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