あの日失くした星空に、君を映して。
苦い表情のお母さんはもう事情を知っている風に見えたけれど、一応一通りを説明すると、何かを堪えるように唇を噛み締めた。
その後
「お母さん、ちょっと学校に行ってくるわ」
ガタンと立ち上がって、今にも出ていこうとするお母さんを止める。
「いいよ、お母さん。多分何言っても無駄だし」
「何言ってるの!このままにできるわけ…」
「お母さんもうこの紙読んだんでしょ?それで学校に行ったんじゃないの?」
「それは……」
封筒はもう封が切られていた。
お母さんがこんな内容の紙を見て黙っているはずがない。
学校に行って、相手にしてもらえなかった。
そうじゃないだろうか。
「っ…ごめん…ごめんね」
私の横に泣き崩れるお母さん。
あの日、私は放課後学校に残った。
一度職員室に行ったから、それを証明する先生はいるし、ワックスがけだって何とでも言い訳ができる。
美和さん達がやったっていう証拠がなければどうにもならないことだってわかり切っていた。
「昨日…ね、女の子が2人来たの」
「女の子?」
女の子と言われて思いつくのは佐山さんくらいだ。
友達と呼べる友達なんていないし。