あの日失くした星空に、君を映して。


「さ、どこ行く?」


「え?帰んないの?」


帰ろうか、じゃなくて


どこ行く?っておかしくない?


学校帰りに寄り道とかしたことない私がズレてるのかな。


「はいはい!海は?」


「嫌だ。絶対嫌」


風香の提案を工藤くんがすかさず一蹴。


工藤くんは猛反対だけれど、海かあ…


見下ろしただけで防波堤とか海岸にはまだ行ってないんだよね。


4月の海って寒そうだし、今度でいっか。


「なら町案内でもする?鏡華がまだ知らん所いっぱいあるやろうし」


「あ、賛成!あたしの家においでよ。パン屋やけんさ」


風香の家はパン屋さんなんだ。


昨日散歩した時には見かけなかったな。


そんなに遠くまで行かなかったからかも。


「僕も行くの?」


「当たり前やろ!幸久ん家は和菓子屋やっとるんよ」


あ…和菓子屋さんなら見た気がする。


なんか趣のある建物に、老舗和菓子店って書いてた。


「さ、行くよー鏡華」


「う、うん!」


4人で学校を出て、町案内が始まった。


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