あの日失くした星空に、君を映して。


お互いに私服姿になって階段に戻ると、一段目に腰掛けた工藤くんと風香がバッと顔をあげた。


「遅いわ!昼や言ってもここら辺暑いんやけんはよして…ってあんたらなんで着替えとんの」


風香がポカンとした顔で私と深影の服装を見比べる。


「やるやろ?」


袋の中から覗くラケットを見て、工藤くんが大きなため息を吐いた。


「だから嫌って言ったのに」


「あたしも嫌やわ…ニシロ階段登るだけでもキツイんに…」


げんなりした顔で風香が言うけれど、この階段ってそんなにキツいっけ?


それに…


「ニシロ階段って?」


「この階段246段あるんよ。やけんニシロ階段。偶数続きでいいやろ?」


「そう…かな?」


偶数続きは珍しいかもしれないけれど、別にだからいいってわけじゃないと思う。


「はよせんと日が暮れるぞー」


ラケットの入った袋をガチャガチャと鳴らしながら深影が先頭を駆け上がる。


その後をしぶしぶながらに2人も上っていった。


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