咲かない花
「まあでもこれは、俺一人努力しても、続くことじゃないと思う。彼女の方も、会いたい、好きだからこの関係を続けたいって思ってくれなきゃ、続かないですよね」
「うん・・・そのとおりだね。私さ、元カレに前会ったのって・・・うわ。3ヶ月以上前の話になるのか。でもそんなに会いたいって思わなかったし。離れても仕方ないか、別れてもしょうがないかって。意外とアッサリ受け入れてるのよね。なんか、それが元カレには面白くなかったようで」
「いんじゃないすか?あっち、もう彼女いるんでしょ?」
「うん」
「二股かけてたんだから、自業自得」
「あ。言われてみればそうだよね」
「菱ヶ谷さん、今気づいたんすか・・・」
「いいやー。なに?忘れてた?」
「じゃあ思い出させてすいません」
「いいのいいの。二宮くんに話聞いてもらったらスッキリした。ありがとね」
「いえ。俺、菱ヶ谷さんが彼女なら、二股とか絶対しないけどなぁ」
「またそんなこと言う」

・・・二宮くんがよく言う、思わせぶりなセリフ。
だけど、いつものようにニコニコしながら、冗談交じりな口調で言うから、本気じゃないんだよね。

だって、26の後輩若者から見たら、33の私なんて、ただのオバサン先輩でしかないだろうし。
7つ(半年8つ)年上の女とか・・・7つ年下の男もだけど、恋愛対象にはならない、よね?

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