咲かない花
「でも、パリにはまた行きたいな」
「パリ好きなんですか?」
「うん。好き。パリの街並みや風景って、見てて飽きない。それにパリだったら、カフェのテラスに座って、美味しいチョコクロワッサン食べて、カフェオレ飲みながら、一日中ボーっとできる」
「じゃあ一人旅なんだ」
「基本的に私、ひとりで行動することが多いから。二宮くんは?どこか行きたい国とかある?」
「俺、言葉通じるところの方がいいからなー。国内で温泉とかフルーツ狩りの方がいい」
「意外と渋いんだね」
「そうすか?」
「うん。それに二宮くんって、一人旅より最低4・5人のグループで、賑やかに旅行する方が似合う」
「あぁ。俺、スポーツも個人競技よりチームプレーの方が好きだから」
「分かる!」

それから、「ハネムーン行くならここがいい」といった話題から、「あそこのオムライスがおいしかった」とか、二宮くんが所属しているバレーボールクラブのことなどをしゃべっては、時々笑って。
「おやすみ」と言ってスマホを切ったとき、夜の11時を過ぎていたので、私はビックリした。

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