ココロはいつもキミのそばに。
バスでの時間はあっという間で、いつの間にか学校に着いていた。


「明日は練習休みにするから、ゆっくり休めよー。

宿題の存在も忘れんなよ。」


解散直前に顧問からのこの1言。


一気に現実に引き戻されてしまった。


ミズキは最後まで元気がなくてちょっと心配だったけど、そんなにひどい怪我じゃないし、すぐに立ち直れると思う。


で、問題なのは夏休みの宿題。


これまでは部活に集中してたし、まだ全然やってないんだよね……。


今年もミズキに写させてもらおうかな、うん。


毎年の最終手段は、いつもこれ。


ミズキってスポーツバカに見えて、意外と勉強も出来ちゃう人なんだよね……。


本当、うらやましいよ。


この学校もまあまあの進学校なわけだし、私はギリギリで合格したって事を忘れちゃいけないよね。


重い気分になりながら家に帰ると、おいしそうなシチューの匂いが漂っていた。


一気にまたテンションがあがってしまい、


「やったー、シチューだ!」


と叫んだら、


「食べ物で嬉しくなれるなんて、のんきなもんねぇ。」


と、お母さんにあきれられてしまった。
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