漆黒の闇に、偽りの華を

聖也さんの綺麗なおでこに青筋が一つ。


苛立っている様子。


「こいつらがイチャついてるのなんて今に始まった事じゃねーぞ。てか、用がすんだなら帰れよ。聖也。」


太一が、手で追い払う仕草をする。


「たいちゃん!!それ以上名前呼んだら犯すわよ!!!それにあんたっ!!!」


聖也さんは、あたしを思い切り指さす。


「女に生まれてきたからって調子乗ってんじゃないわよっ!!!!」


「バカな事言ってないで、帰れよ。聖也。」


「恭……あんたまで……。せっかく忠告しに来てやったってのに……。」


聖也さんは、唇を噛んで今にも泣き出しそうだ。

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