夢喰い

友行は慎重に丁寧に私の唇に触れる。

私はずっと、なんで男がキスをしたがるのかが分からなかった。

得られるものなんて何もないのに。

だけどなんとなく、本当になんとなくだけど分かったかもしれない。

友行のキスは、私の胸の奥の方をふわふわとさせたから。


なんだか私が私でないように居心地が悪い。

友行の持つ雰囲気が、私を悩ませる。
< 40 / 90 >

この作品をシェア

pagetop