季節外れの花
「‥もう、一緒にいられない?」

そう呟いたのは、奈緒だった。

「え?」

私が思ってたのは、

冷たく捨てられる私の姿だった。

「だって、私のこと嫌いでしょ?」

目に涙を溜めて私を見つめる。

キラキラ光ってる綺麗な目だった。

京介に恋してる目だけど、

今は私だけを見ていた。

「嫌いじゃないよ。でも、奈緒が私のこと嫌いでしょ?だって……」

「嫌いじゃないよ!当たり前!大好きだよ。なんでそう思うの?」

京介を想って見る目。

それが、今私だけを見ている。

それだけで、良いと思った。

うんん。

ありがとう奈緒

私も、好き。奈緒が大好き。

そういう前に、涙が溢れた。

ぶわっと溢れる涙は止まらなかった。

それを見た、奈緒の目からも

涙がこぼれ落ちた。

奈緒の涙は綺麗だった。
< 46 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop