猫の恩返し
死んだら星になる───


子供の頃、どこの家庭でもそう聞かされてきたんだろう

そんな俺も、例外ではなかった

元々体が弱かった祖母は、俺が小学3年生の頃、心筋梗塞で亡くなった

ばあちゃんっ子だった俺は、毎日夜空を見上げて泣いた

曇りや雨で星が見えなかった時は、神を恨んだりした

そんな純粋さは、一体いつの間になくなってしまったんだろう


「そうだな…。この辺じゃ、一番空に近いかもな」


苦しそうにしていた頃も多かったはずなのに、今思い出す祖母の顔はひまわりのような…周りをパッと明るくする笑顔だけ


「見守って…くれてるだろ」


真夏の夜空に、祖母の笑顔が浮かんで…消えた


「そっ…か…」


消えそうな声にナツを見ても、背中しか見えない


「ナツ?」


「んー?」


「ナツ、こっち向け」


「………」


静かに振り返った彼女の頬は、涙で濡れていた
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