猫の恩返し
△▼△▼△▼



「はぁ…」


溜息が止まらない


「主任、どうしたんですかー?」


「あ?ああ…ちょっと、な」


外は雪が降り続いている

今年は、数十年振りに降雪量の記録を更新するらしい


「一週間も有休取ったのに、なぁーんでそんなに落ち込んでんのさ」


「いえ…ちょっと…」


「あー!もしかして、ナツちゃんと旅行とか行って、一悶着あったんじゃない?」


何も知らない係長は、嬉しそうに話を振ってくる

そこに、止まらない携帯の振動

ポケットから取り出してみると、表示されていたのは牧野の名前


ドクン


鈍い痛みが、心臓を刺した


「あら、電話?」


『どうぞ』と、席で取ることを許可してくれ、通話を促してくれる係長

一礼し、通話ボタンを押す
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