lovin' it
「105円になります。お砂糖とミルクはお付けしましょうか?」

「あ、はい。お願いします」


店員の言葉を適当にあしらって、私は財布の中の100円玉をあさった。


50円玉と見分けがつくようにしまっておけば良かったと後悔しつつ、手に取ったそれに穴があいていないことを確認する。


きっかり釣銭なし。

レシートも不要。


―――某都内某ファーストフード店。

待ち合わせにはよく使う場所だった。


もう少し高いカフェを選んでもいいんじゃないかというのが本意だけれど、相手方がそうもいかないもので。


今更そんなところに気を張る仲でもないだろう、と。



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